戸谷隧道と白山麓の大山林道
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GWを利用して、石川県の戸谷隧道と白山麓を走る大山林道を調査してきました。
その筋では有名な戸谷隧道は、どうせ噂が先行してたいしたことねーだろと
思ってましたが、赤瀬ダム側から侵入したら「おぉ、なななか走り甲斐あるじゃん!」
わざわざ遠征してよかったよ。
しかし、それよりも大山林道のが凄かった!
大山林道は1998年頃から通行不能と聞いてたけど、復旧したかもって情報が
はいってきたんで爽やかな林道ランを計画しました。
ところが、なにが爽やかな林道ランだ、アタック系じゃねーか!
〜サンドランで肩ならし〜
〜幻の県道 戸谷隧道調査〜
〜大山林道編〜
最初にお断りしておきますが、我々は通行止めの看板がなかった(気がつかなかった)ため、どんどん進んで行きました。知らないとは恐ろしいもんで、今思えばいつ路面崩壊などの直接被害をうけたかもしれません。はっきり言って、2度と行きません。また、我々が通れたってことで同じようにアタックされても責任はとれません。危険なのでやめたほうがよいでしょう・
前半は整備されて、逆に我々には走りにくい(つまんない)路面状態だった。
ところが、峠を越えてから様相が一変し、いきなり湿地帯が現われた!
深いところでアクスルシャフトまで
彼女、なにも知らないで連れてこられたのでした・・・
でも笑ってるから良しとしましょう。
とんでもない崩落が我々の前に立ちはだかる
ここはapeで偵察に ape改大活躍 ape偉い!(けしてライダーを誉めてるのでない)
左は崖 落っこたら生きて戻れない崖だよ
このとき半数以上の人はがけ下を見てなかったと思う
みたらビビって下りれなかったことでしょう
一番手はとにかく慎重に 誰だヘタだからなんて言う奴は?
でないとゆっくり下りてもこのようにズリズリ滑るんだよ
自信のない人には代行運転します もちろん有料です
また湿地帯 コレを通過するとドブ臭いんだなぁ
いたるところで崩落が行く手を阻む
この後岩にはじかれて あわや崖下に
後ろからみててマジ「やめれ〜!!!」と叫んでしまった
このあたりからほんとうに抜けられるか不安になる
時間も気になる・・・
皆のサポートを受けながらクリアして行く
おいおい、進入側にこんな看板なかったぜ! しかもこの看板埋もれてた
ここを越えて終了
でもね、ここの最後の最後でシェルパァが・・・
今回のツワモノ
磯基地(ape100改) 塾超(DT230) 重工(TTレイド)
水(XR250) 族屋(TTR250) ぷりん(CRM250) けへ(DR250改)
ねり(シェルパ) きよ(セロー)
〜キャンプ編〜
’04GW 北陸遠征【その1 怨念?!魔の戸谷隧道】
GW真っ只中の5/2
北陸は石川県能登半島の大浜海浜公園キャンプ場に集まるオフバイクの集団。
豊田組北陸遠征の面々であった。
広々とした、芝生サイトはバイク、車の乗り入れが可能。
ゴミ捨ても可能。(一泊1,000円ならば当然か?!)
しかし、1日500円(入場料200円、テント一張300円)
などという料金表示は不思議そのもの。
つまり一泊は2日ということになり、1,000円。
≪だったら一泊1,000円って書きゃいーじゃん!!≫
呼びかけ人Kやま商会の当初の予想では5〜6人。
しかし、トランポ、車組の奥様、おこちゃまを含めると25名以上と膨れ上がっ
た。
大集団はキャンプ場の中心に陣取り、他を寄せ付けない圧倒ぶり。
北陸遠征の拠点、大浜海浜公園キャンプ場は豊田組により陥落。
早くも植民地化されたのであった。
豊田組、北陸の秘密工作員ぬの(コードネーム‘ゐ’)の協力も忘れてはならな
い。
5/3
「暑いー!!」
晴れ渡った空から強い日差しが注がれる。
植民地と化したキャンプ場はくつろぎを感じ、まったりとした朝を過ごす
面々。
そんな中、Kやま商会が言う、
「9:30出発ね!!」
本日は北陸遠征のメイン、魔の戸谷隧道、周辺林道調査である。
塾長家に匹敵する新型高級トランポで登場した、みどりは久々のCRM。
もりくみを置き去りにして、林道ツーリングである。
≪もりくみ、許してあげてください。
みどりは林道走っている時もずうっと、気にしてましたよ≫
磯はトラブルメーカーであるRMXではなく、Ape100 BAJA仕様。
ヘッドライトはBAJA、メータはXR600のマイル表示、
この世に1台の代物である。
初めての林道走行であった。その結果は如何に?
ブーツ、モトパンを装着して、準備完了である。
そんな中、Kやま商会、ねり、きよ、重工、みどりの5人はモトパンはおろか、
ブーツすら履いていない普通のツーリング姿。
時はGWということで、
「メインはツーリング!」
「汚らしいブーツ、モトパンはやめよう!」
と言う、Kやま商会に賛同したのであった。
しかし、待ち受ける予期せぬ?状況が、平和なツーリング姿の面々を襲うこと
とな
る。
そして、魔の戸谷隧道、周辺林道は、
Kやま商会、ねり、磯、塾長、みどり、族也、Miz、きよ、重工、の9名で
調査隊が結成された。
Kやま商会が言う、
「出発!!」
と、その時、あれほど晴れ渡っていた空に暗雲が現れ、パラパラと雨が落ちて
くる。
一行の前途の何かを予告するような不吉な雨。
それもそのはず、‘ゐ’の事前情報は、
『過去に戸谷隧道を調査しようとしたが、その度にトラブル、
事故が発生し、断念し続けている』
『あの隧道のある山は古くからの霊山であり、地元民は近づかない』
そして、極めつけは、、、
『戸谷隧道は過去に自殺…』
戸谷隧道は単なる廃道ではないのである。
そう、怨念の魔のトンネルであった。
≪ちなみに、調査隊一行がキャンプ場を去ると、雨は上がり、
再び晴天へと変わったのであった≫
果たして、全員無事で帰還できるのであろうか…?
そんな不吉な空気を振り払うかのように、Kやま商会が言う、
「その前にパリダカのウイニングランをやろう!!」
大浜海浜公園キャンプ場のすぐ横は砂浜。
アメリカが『悪の枢軸』と呼ぶあの国へ行くには、ここからが最も近道?!
しかも、、タダ…。
キャンプ場入り口から続く、細かいサラサラとした砂浜。
しかし地は固まっており、走りやすい。そして、カミオンクラスの魔王号も参
戦。
まさにパリダカである。
海水まみれの水路突破など、サンドランを一頻り楽しむ。
そして魔の戸谷隧道へと向かう。
国道8号バイパスを西へ進み、粟津へ向かう。
この地域の唯一のきちんとした道であろう国道8号は激込み状態。
悪どいすり抜けを慣行し、石川ナンバーの車郡をビビらせて行く。
信号待ちでは居並ぶ車を右から左から抜き、先頭へとまっしぐら。
2〜3台ならまだしも、、、9台ものバイクが揃って、この悪行。
9台の青い悪魔たちであった。
パイパスを降り、コンビニでお昼ごはんを調達。
Kやま商会が言う、
「すっごく、悪い走りしたよねー」
≪怨念のトンネルへ行くには、自らが悪魔になる必要があると言うのか?≫
まずはウォームアップとして、安谷林道を走る。
普通乗用車も走ってしまう、りっぱな生活道と化している林道であった。
戸谷隧道を目指し県道161号を探すが、
ツリマ上に載っていない道が次から次へと出現し、調査隊一行を戸惑わせる。
トンネルの呪いなのだろうか?たどりつけない一行。
新旧ツリマを付き合わせて、作戦会議。
「ここって、、、今どこだ??」
「この道じゃないし…」
もはや地図として役立たずのツリマ。
その時、地形を読み、長年の勘から、Kやま商会が言う、
「じゃあ、ここを左だ。」
そして、県道161線と思われる道を走る。
やがて、右カーブの途中に左へと分かれる寂しげな道が出現する。
木々に隠され、その奥に掲げられる幅0.8M、高さ1.7Mの看板が…。
≪ちなみに0.8Mは、オフ車のハンドル幅より狭い!!≫
そう、この道こそ県道43号線。戸谷隧道へと続く道であった。
そして、それは魔の隧道への入り口。
うっそうと茂った木々が陽を遮り、昼間でも薄暗く、
人を寄せ付けない不気味さが漂う。
調査隊一行はこの怪しげな道を進んでいく。
ややヌタり状態の道を走る。
生暖かい湿った空気が体を包み込み、この先にある‘何か’、、を予感させ
る。
やがて道にはコブシ大の岩が転がり、亀裂が出現、ガレ気味の登り坂となっ
た。
久しぶりの林道で、ゆっくり慎重に走っていたきよが失速して、転倒。
セローのブレーキペダルを曲げてしまう。
ちょっとハードな林道。
すでにブーツ、モトパンを装備しないで、入り込む所ではなくなっていた。
ちなみに、ここは『県道』である。
ガレ気味地帯を脱出して、「ほっ」としたのも束の間。
坂の傾斜は強まり、ぬかるんだ路面と頭大の岩が転がる。
更にハードな林道へとその姿を変えていった。
我々調査隊の行く手を邪魔する数々の関門。
≪それほどまでに辿り着けさせたくない、
‘何か’…が戸谷隧道にはあるというのだろうか?≫
そして、、
『これ以上先には行ってはならぬ』と、
山の神が警告するかのように倒木が行く手を塞ぐ。
この状況となると降車しての押しが入るほどである。
その実態は獣道と呼んでも支障がない程のすばらしい出来に四苦八苦。
もはや林道ツーリングの範囲を超えて、
アタックツーリングの様相を呈しつつあった。
ちなみに、ここは『県道』である、、、はず…。
ようやく、ガレ、ヌタ、坂を抜けると、前方に洞穴が出現。
草、木に埋もれるように存在する、それが魔の戸谷隧道であった。
中に入るのを躊躇させる異種独特の雰囲気を醸し出している。
≪出口はあるの??≫
≪これって、あの世への入り口?!≫
魔の戸谷隧道、調査隊の誰もがそんな思いを巡らせていた。
Kやま商会が言う、
「1台ずつ走ろう!!」
≪1台ずつ?!≫
一気に通りぬけるとトンネル崩壊の危険があるからであろうか?
それとも何時の間にか消えているような神隠し現象を防ぐためであろうか?
いずれにしても、消えた者の救出は不可能と言わざるえない。
戸谷隧道を目の前にして、順番待ちのバイクが並ぶ。
塾長がタイムを測定して、1台、また1台とトンネルの中へと入っていく。
緊張の時間を過ごし、重工が行く。
真っ暗な洞窟に響きわたるエンジン音。
ひんやりとした空気は心地よさを通り越し、背筋をゾクゾクさせ、
‘何か’の出現を予感させる。
遥か前方に見える小さな明かりが出口であった。
小さな墜道とは言え、出口の明かりの小ささからすると相当長いのであろう。
中間地点では、2〜3匹のこうもりがハタハタと舞い、行く手を邪魔する。
それは、招かざる客の訪問に警鐘を鳴らすが如く。
そして、魔の墜道内で写真撮影をする暴挙に出た、重工。
≪後日現像した写真には、果たして何が写っていたのか?≫
≪それは、、、言えない…≫
一部に水溜りがあり、積もった土がヌタっているが路面は安定している。
入り口の不気味さとは違い、内部は一応ちゃんとしたトンネルであった。
他の‘何か’がいるかもしれないが…。
そして、重工は戸谷隧道を無事通過する。
出口側は入口側ほど荒れていなく、軽自動車?の轍すら存在している。
しかし、軽自動車では隧道を通過しても、その先は通行不可能であるが…。
無事通過してしまえば何のことはなく、
1台ずつの通過に時間を持て余してしまうのであった。
そんな中、みどりと重工は隧道内へ徒歩で進入。
暗闇に潜んで、きよを脅かす作戦である。
遥か彼方にヘッドライトの明かりが光る。きよが隧道に進入したようであ
る。
『どこへ潜もうかな?』と考えていると、見る見る間に近づいてくるヘッドラ
イト。
先程のガレ場でのゆっくり慎重な走りとは違い、、きよ 隧道内を爆走で
ある。
そんな、きよにみどりと重工は大慌て。
「うわっ!何あれ?!は、速すぎ!!!」
「や、やばっ、轢かれる!!」
隧道内をダッシュするみどりと重工。
脅かすなどと悪事を働かせようとした二人は、
違う意味での恐怖を味わってしまうのであった。
そして、全員無事に戸谷隧道を通過し記念撮影。
通過した安堵感から調査隊一行からは、
「結構おもしろかったね」
隧道脇の獣道を指しては、
「あの道はどこへ続くのかな?」
「調査しようか?」
などと余裕を化した言葉が発せられるが、
一刻も早くこの場から立ち去りたいのが本心であった。
「出発!!」
戸谷隧道を過ぎると、道は下り坂となりガードレールまで出現する。
道は相変わらず、獣道であるが…。
そして、途中には県道43号の標識がしっかりと立っていた。
本当に『県道』であった。
石川県、凄すぎる!!
道を下っていくと、Tの字路へ出る。これもツリマには載っていない道であ
る。
県道43号は、隧道を過ぎて、11号へと繋がっているはずであった。
≪目の前のこのT字はいったい何だ?!≫
Kやま商会が言う、
「Uターン!!!」
この先を進むと、本当に神隠しに合ってしまうことが予想される。
確実なのは、もと来た道を戻ること…。
そして、あの戸谷隧道を通過することであった。
再び目の前に姿を現す、戸谷隧道。
今度は1台ずつ走行などではなく、隧道内を爆走する。
それは‘何か’を振り払うか如く…。
隧道が視界から消えると、通過したばかりの倒木、ガレ、ヌタ、が
再び行く手を遮る。
倒木を乗り越えようとして、Kやま商会が転倒!!!
先ほどの‘押し’といい、Kやま商会としては有ってはならない不祥事頻発であ
る。
戸谷隧道の呼びかけ人である、Kやま商会に‘何か’が…起こっている。
それは…。
獣道、いや、県道43号を抜け、県道161号を赤瀬ダムへと向かう。
そして、ダムの広場でお昼ごはんである。
無事に調査を終えて、満足感でいっぱいの面々。
Kやま商会が言う、
「次は大山林道に行くかな?」
「完全通行止めだったはずなんだけど、ゐ情報だと平気みたいだし…」
「ロングダートで景色がいいんだよね」
そして、1998年ごろから崖崩れにより完全通行止めであった大山林道へと向か
う。
しかし、その前に御払いが必要であったかもしれない…。
’04GW 北陸遠征【その2 遭難?!完全通行止め大山林道】
花曇ながら気温は20℃を超え、春というより、初夏の陽気。
戸谷隧道の調査を無事完了した一行は次なる調査の地、大山林道へと向かう。
98年ごろから、完全通行止めであったはずの大山林道。
昨夜、秘密工作員ゐから通行可能となったとの情報を得る。
真実であれば、白山山系を眺めながらの絶景のロングダートツーリングとな
る。
予想外?アプチアタックツーリングとなった、魔の戸谷隧道。
今度こそはGWらしく爽やかな林道ツーリングとなるのであろうか?
そして、忘れてはならない‘魔の戸谷隧道の怨念’…。
大山林道へ。
九十九折れの急坂、舗装路を走る。
やがて、路面は土となり、ダートへと変わっていく。
路肩には山菜採りの人々の車が駐車している。
先へ進むと、凹凸が目立つようになり、路面はやや荒れてくる。
にも関わらず、路肩に駐車する車、車、車、、、。
それも普通のセダンが圧倒的に多い。
セダンでここまで来てしまうとは…。
これはもう、山菜採りに執念を燃やす狩人たちであった。
左手に残雪を頂いた白山山系がその見事な姿を現す。
この辺りにくると道幅も狭くなり、車も見かけなくなる。
狩人たちもここまでは入ってこないようであった。
しかし、調査隊一行の中にも狩人がいた。
塾長である。
突然、路肩にバイクを止めると、山の中へ入っていく。
先行→山菜採り→後続から追い上げ、を繰り返す。
その甲斐もあり、良いたらの芽が採集できたようだ。
路面はさらに荒れてきて、転がる、岩、岩、岩。
自然のやりたい放題、荒れ放題である。
「ずいぶん長い間、放置されているみたいけど…」
「本当に通りぬけられるのかな?」
そんな不安が一行の脳裏をよぎる。
険しい大山の山肌を削り取り、造られた林道は左側が絶壁、
右側が急勾配の崖となっている。
しかし、道幅は広く、岩が転がっていなければ走りやすい林道である。
連なる山々が織り成す、緑のグラデーション。
太陽に輝く木々の緑は自然の息吹を感じさせる。
間近に広がる雄大な景色は、通行止めの不安を一掃する価値の
あるものであった。
しかし、すばらしい景色に目を奪われ、気づくと目の前に岩!!
走行には注意が必要であった。
そして、一行の前に関門が現れる。
水たまりである。
おそらく、雪融け水がたまったものであろう。
わがままにも、道幅いっぱいに広がったそれは池と呼んでも支障がないほど。
通過は、池の端を回る‘絶壁側の左周り’と‘崖側の右周り’、
そして、‘強行の中央突破’の3ルート。
左、右周りの通過は泥をまきあげ、中央突破はタイヤ半分ほどが浸水し、
いずれにしても、調査隊一行のバイクは泥水まみれ。
ドブ臭い集団と化した一行は先へと進む。
通行可能であることを信じて…。
そんな一行の前に更なる関門が現れる。
崖崩れである。
ほぼ道を埋め尽くす崩落であったが、バイク1台がギリギリの通過できる隙間が
あり、ステップに掛らないように慎重に通り抜ける。
もはや、この状態至って、通行可能などとは信じる気持ちは微塵もなく、
一行は引き返すタイミングを謀りはじめていた。
爽やかなロングダート林道ツーリングなどではなく、
魔の戸谷隧道に続く‘アタックツーリング’第2弾となっていた。
GWの素敵な林道ツーリングを描いていた一行は絶望感でいっぱい、、、
と思いきや、結構楽しんでいたりする。
そして、そんな一行の前に最大の関門が立ち塞がる。
巨大な崖崩れである。
先ほどの崖崩れとは規模が違う。
絶壁側が20m以上の高さに渡って崩落し、岩、土が林道を覆いつくしている。
もはや道の痕跡も存在せず、通過には崩落現場の山を乗り越えるしか
手段はなかった。
崩落現場の山の上りは50〜60°の急角度ながらも路面がしっかりしており、
グリップの良さそうな斜面である。高さは5m程であった。
下りの斜面は容易に崩れ落ちる程、緩い状態であり、
自由に任せれば崖下の遥か下方へと引き込まれてしまう。
そうなれば脱出、救出は不可能。この身を大山へと捧げることになる。
その様相は、正に‘蟻地獄’であった。
通過には蟻地獄の引き込みに注意しながら、斜めに横切り、
下りる必要があった。
その先は巨大な水たまり、そして、1m程の小山があり、また巨大な水たま
り…。
更には自然からのプレゼントとして所々に岩塊が散りばめられていた。
崩落現場の山を通過しても気は抜けない。
一大アドベンチャーテーマパークと化していた。
立ち塞がる崖崩れを前にして呆然と立ちすくむ調査隊一行。
この崖崩れを突破したとしても、この先には更なる関門が
待ち受けているかもしれない。
なんと言っても、完全通行止め歴5年の林道である
。
そして、引き返す場合でも、この蟻地獄は最大の難関となることが予想され
た。
容易に崩れ落ちる程の緩い斜面を、あがき、もがき、這い上ろうとするバイク
は
‘我が意を得たり’とウスバカゲロウの餌食となってしまう。
すなわち、崖下への転落を意味するのであった。
従ってこの崖崩れを乗り越えれば、もうあと戻りは出来ないのであった。
≪撤退?!≫
そんな空気が支配し始めた時、Kやま商会が言う、
「磯基地君、偵察!!」
磯基地君のバイクはApeBAJA仕様。
小型、軽量のApeBAJA仕様なら、調査隊一行の力で蟻地獄の突破も容易であ
る。
すなわち、この先の状況を磯が単独で偵察し、通行の可、不可を判断しよう、
との作戦である。
一行の期待を一身に背負い、磯基地君が水たまりの向こうへと消えていく。
雪融け水が滝をつくり、一本は蟻地獄下の水たまりへ、
一本は崩落現場の下へと注いでいる。
ということは、この崩落現場、また崩れてしまうのではないだろうか?
この林道は自然への回帰が着々と進んでいるようであった。
待つのに飽きてきた一行がつぶやく、
「磯、遅いねー」
「単独遭難とか?」
「どこまで行ったのかなぁ…」
そして、エンジン音が聞こてくる。
磯が戻って来た。
水たまりの向こうで、腕で大きい丸をつくり、合図する。
この先は通行可能のようだ。
Kやま商会が言う、
「よし、突破しよう!!」
崖崩れの突破が決定し、ねりが言う、
「私、代行だなぁ…」
きよも言う、
「代行!代行!だぁいこぉーうっ!!」
ねりときよの女子二人は即、代行を依頼する。
先頭をきって、Kやま商会が行く。
急角度の斜面を難なく上がっていき、そして一息入れて停車。
そして、な、なんと!!Kやま商会は降車して、蟻地獄を下り始める。
(ビビったからじゃないからね! 本人談)
容易に崩れ落ちる程の緩い斜面は、路面の状況も掴めてなく、『無理は禁物』
との
判断から降車を選択したようだ。
塾長が行く。
蟻地獄をバイクに乗ったまま、ズルズル滑りながら、斜めになり、下りて行
。
そして、塾長の通過した後に一筋の道が出来たのであった。
容易に崩れ落ちやすいながらも、ルートを示す痕跡は後へ続く者への
道しるべとして確実に機能した。
急傾斜を前にMizが言う、
「平気かなぁ…」
きよが言う、
「不安だったら、代行してもらったほうがいいよぉ」
しかし、意を決したように、Mizが行く。
急角度の上りの途中で、失速。崖側へと転倒してしまう。
あわや…である。
重工は練習ということで、きよセローの代行を志願。
きよセローで行く。
難なく急傾斜を上りきる。そして、蟻地獄へ。
練習と言ったものの、きよのバイク。
≪転倒はできない≫
そんな気持ちが蟻地獄へと引き込まれるのを恐れ、左へとハンドルを切り、
バイクが前に進まない。
そんな重工に塾長が言う、
「ハンドルをまっすぐにして!!」
「お尻を引いて!!」
その的確なアドバイスのおかげで蟻地獄をクリアする。
≪理論派の塾長、さすがである≫
そして、全員無事、崖崩れを突破する。
Kやま商会が言う、
「磯基地君は最後まで行ったの??T字路になっているはずだけど…」
磯基地が言う、
「最後まで行かなかったけど、、、車のタイヤ跡があったから平気だと思う
よ」
一同、「えっ??」「それって、本当に平気??」
≪磯基地はいったいどこまで偵察に行ったのであろうか?≫
≪もし、彼の偵察の先に絶体絶命のステージがあったら…≫
もしかすると、、、『遭難?!』
『この先に何もありませんよーに』と、調査隊一行は祈るように走り出す。
岩塊が路上に散らばっている小規模な崖崩れ現場を数カ所、通過する。
崖崩れも、もはや見なれた風景となりつつあった。
そして、一行の前に関門が現れる。
崩落した岩塊が道を塞いでいるのである。
直径1m以上の岩塊でできた迷路を縫うようにして通過する。
通過後、倒れている『落石多発のため当分の間通行を禁ずる』の看板を発見。
落石によって、押し倒されてしまったのだろうか?
鳥越村『やる気なし』である。
≪この先はいったい…≫
≪遭難??≫
とにかく、先へ行くしかないのであった。もう、後戻りはできないのである。
そして林道を塞ぐように立ちはだかる巨大な壁が目の前に現れる。
土の壁かと思えば、それは薄汚れた雪が盛り上げられたものであった。
高さ2m程の天然のゲートとでも言ったところであろうか。
天然のゲートは緩やかな傾斜の上りに対して、下りは急傾斜である。
雪面は予想外にグリップが良く、土とあまり変わらないのであった。
ねりが行く。
雪面が滑ることを予想し、勢いをつけて天然ゲートへ突入。
グリップの良い路面のせいで勢いは納まらず、そのまま下りの急斜面へ。
「ガッシャーーーーン!!!!」
ねりが転倒。
「いったぁーい!!!!」
普通のツーリング姿のねりは、ブーツ、モトパンはもちろん膝パットも未装
着。
「なんでー!もうっ!!」
膝を強く打ったようであるが、大きな怪我はしていないようである。
転倒したシェルパをチェックしていたKやま商会が言う、
「あっ、くぎ…」
ねりシェルパのリアタイヤに刺さる、くぎ。
しかし、空気圧は問題なさそうなので、チューブには達していないようであっ
た。
この場での修理は困難なのでとりあえず移動することにする。
(たんに面倒だからって理由があったような・・・)
そして、T字路に出る。
完全通行止めの大山林道を制覇である。
右へ行けば鷲走林道であるが時間が無いために断念である。
左へと進路を取り、小雨のパラつく中、
北陸遠征の拠点、大浜海浜公園キャンプ場へと向かう。
===
予想に反し、アタックツーリングとなってしまった’04GW北陸遠征。
しかし、戸谷隧道、大山林道は北陸にしか存在しないものである。
この地でしか体験できないものを楽しみ、十分に満足した林道調査隊一行。
これもまた旅である。
※しかし、林道ツーリングにはブーツ、肘、膝パットは必要ですね。
===
今回の調査は磯ApeBAJA仕様が大活躍であった。
恐らく、磯の偵察が無ければ、崖崩れで引き返していたことであろう。
磯基地君に感謝である。
===
●ねりシェルパその後…
修理するはずであった‘くぎ’は、キャンプ場に到着後の慌ただしい撤収の
うちに
忘れられてしまっていた。
ねりシェルパは、翌日、豪雨の中、突然のエンジンストップを続発。
そして‘くぎ’が高速走行時に目覚め、SAでの緊急パンク修理が施された。
そう、‘何か’は、ねりに起こったのであった。
ねりシェルパ、、御払いが必要なようで…。
(おしまい。)